内閣府の令和3年度の高齢者白書によると、65歳以上の者のいる世帯数は2019(令和元)年時点で2558万4000世帯と、全世帯(5178万5000世帯)の49.4%です。そのうち、単身世帯が約736万世帯と3割近くを占めており、その数は年々増加しています。

単身世帯のうち女性の割合は男性より高く、男性が「2020年約243万人→2040年約356万人」、女性が「同約459万人→同約540万人」と、この先さらに増加することが予想されています。実際に筆者の周りを見渡してみても、女性の高齢者の一人暮らしの方が、男性よりも多いように思います。

平均寿命が男性より長い女性の場合、たとえ結婚して配偶者ができたとしても、人生の最期に近づく頃には「おひとりさま」になることを想定しておかなければならないでしょう。

女性の場合は結婚しているか否かに関係なく、おひとりさまの老後を見据えた老後設計を立てておくことが必要です。新型コロナウイルスの感染が拡大している今、おうち時間が増え普段より時間に余裕のある方もいるでしょう。そこで受給できる年金額をはじめ、女性がおひとりさまで暮らしていくためのお金について考えていきましょう。

女性の約8割は国民年金のみを受給。その平均月額(女性)は「5万4112円」

厚生労働省年金局の令和2年度「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和2年度末における、国民年金と厚生年金(第1号)の老齢年金受給権者の総数は4938万1727人。

出典:厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

そのうち、国民年金の受給権者は約67%。男女別で見てみると、男性の国民年金の受給権者が約57.42%に対して、女性は約77.76%。今のシニア世代は、女性の8割近くが国民年金受給権者であることが分かります。

国民年金は20歳以上60歳未満の方が原則加入するもので、厚生年金は会社員や公務員などが加入します。シニア世代は専業主婦の方が多かったこと等が影響しているのでしょう。

毎月いくら年金を受給しているか、その平均額を見ると国民年金は「男性5万9040円」に対し、女性「5万4112円」。厚生年金の平均月額は男性「16万4742円」に対し、女性「10万3808円」です。

実際に年金を受給している女性のボリュームゾーンをみると、厚生年金が「9万円以上10万円未満」で約15.82%、国民年金が「6万円以上7万円未満」で約33.15%。国民年金の満額が約6万5000円ですから、満額を受給している女性もそれなりにいることが推測できます。