夫が亡くなると、妻の生活は激変!?

老後、夫婦2人分の年金があれば、2人ともが国民年金加入のケースを除くとそれなりの老後の生活を送ることができます。ただ、夫が亡くなると途端にそれまでの生活を維持していくのが難しくなり、妻の生活は大きく変化します。ケースに分けて確認しましょう。

1.国民年金に加入していた夫が亡くなった場合

遺族基礎年金は子どもがいないと受給できません。しかも、受給できる期間は子どもが18歳到達年度の3月31日まで(もしくは20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方)になるため、老後に夫が亡くなった場合、遺族基礎年金は受給できないことが多いでしょう。

2.厚生年金に加入していた夫が亡くなった場合

遺族厚生年金は、遺族基礎年金と違って子どもがいない場合も受給が可能です。

受給額は、夫の標準報酬月額や厚生年金保険の加入期間によって異なるため個人差がありますが、令和2年度の遺族年金の平均は8万892円。夫の受給していた老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3が遺族厚生年金となります(報酬比例部分の計算では、厚生年金の被保険者期間が300月(25年)未満の場合は300月とみなして計算します)。

夫の受給していた年金額の4分の3と勘違いされがちですが、老齢基礎年金は支給の対象外です。

たとえば、前出の男性の厚生年金平均月額16万4742円の4分の3である約12万ではなく、老齢基礎年金を差し引いたおよそ10万円の4分の3の金額になります。

ほかに、人によっては中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算に当てはまる場合もあります。

いずれにせよ「想像してたより少ない」と焦らなくていいように、あらかじめ夫の厚生年金の受給額から、およその金額を把握するようにしておくと、いいかもしれません。

※遺族厚生年金は65歳以上で老齢厚生(退職共済)年金を受け取る権利がある方が受け取る場合、「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」と「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の2分の1の額と自身の老齢厚生(退職共済)年金の額の2分の1の額を合算した額」を比較して高い方が遺族厚生年金額となります。