2025年7月18日に総務省が公表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)6月分(2025年7月18日公表)」によると、6月の総合指数は111.7、前年同月比は3.3%の上昇となりました。
これは、日々の生活にかかる物価が上昇していることを示しており、年金生活者にとっては実質的な負担増につながります。
年金の支給額は一部、物価変動が反映される仕組みがありますが、生活の実感としては、年金だけでは足りないと感じる人もいるのではないでしょうか。
本記事では、70歳代の貯蓄や年金月額を紹介します。
1. 【70歳代・二人以上世帯】いまどきシニアの貯蓄「平均」と「中央値」は?
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」で公表された70歳代の二人以上世帯の貯蓄額は、平均1923万円、中央値800万円という結果でした。
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:5.4%
- 100~200万円未満:4.9%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:2.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:6.4%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:8.9%
- 3000万円以上:19.0%
- 無回答:3.5%
【70歳代貯蓄の平均と中央値】
- 平均:1923万円
- 中央値:800万円
内訳を見ると、「金融資産をまったく保有していない」世帯が20.8%いる一方で、「3000万円以上を保有する」世帯も19.0%を占めています。
このように、一部の高資産世帯が平均値を大きく押し上げているため、平均だけを見ると実態を見誤る可能性があります。
実際には、貯蓄額800万円以下の世帯が全体の半数以上を占めており、多くの家庭が限られた資産で老後生活をやりくりしているのが現実です。
貯蓄の実態に近づけて状況を把握するには、平均ではなく中央値に注目することが大切です。