「高額受給者」の保険料は5万円台
先ほどの標準報酬月額から、等級ごとの保険料を抜き出してみます。
- 30等級(標準報酬月額59万円):5万3985円
- 31等級(標準報酬月額62万円):5万6730円
- 32等級(標準報酬月額65万円):5万9475円
※保険料は事業主との折半後
上限ラインの給与を受け取った場合、厚生年金保険料は5万円台となります。この水準が数十年スパンの長期間で続けられれば、「高額受給者」になれることがわかりました。標準報酬月額が30万円(等級19)の人は保険料が2万7450円なので、その差は3万円前後です。
仮に標準報酬月額30万円の人が、「高額受給者」を目指して年収アップを図っても、保険料が3万円上がる一方で年金額がそこまで上がるとは言い切れません。どうしても加入期間がネックになるからです。
ただ、差額の約3万円を預貯金あるいは資産運用に回せれば、独自で老後資金の上乗せにはなります。あくまでも数字上でのシミュレーションですが、「年金をたくさんもらいたい」と思う方は、年収アップだけではなくこうした「資産形成」にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
参考資料
LIMO編集部
執筆者
LIMO編集部は、経済や金融、資産運用等をテーマとし、金融機関勤務経験者の編集者が中心となり、情報発信を行っています。またメディア経験者の編集者がキャリア、トラベル、SDGs、ショッピング、SNSなどについて話題となっているニュースの背景を解説しています。当編集部はファンドマネージャーや証券アナリスト、証券会社・メガバンク・信託銀行にて資産運用アドバイザー、調査会社アナリスト、ファッション誌編集長、地方自治体職員等の経験者で構成されています。編集スタッフの金融機関勤務経験年数は延べ49年(589か月)で、メンバーが勤務していた金融機関は、野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、日興証券、三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行、日本生命、フィデリティ投信などがある。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、第一種外務員(証券外務員一種)、FP2級、AFP等の資格保有者が複数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。株式会社モニクルリサーチが運営(最新更新日:2024年9月30日)。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)