私たちの老後生活を支える年金。実は2022年度から0.4%引き下げになることをご存知でしょうか。

年金の額は毎年改定されており、今回の改定では2年連続のマイナスです。このまま減少が続くかどうかは不明ですが、老後にいくら貰えるかについては、現役世代共通の懸念事項でしょう。

一方で、厚生年金をたくさんもらえる、いわゆる「高額受給者」が存在するのも事実。今回は「高額受給者」にフォーカスをあて、必要となる目安年収について見ていきます。

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厚生年金の平均は14.4万円

厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)の年金月額は、平均で14万4366円です。こちらの金額には、国民年金部分も含まれています。

厚生年金の平均受給額

〈全体〉年金月額:14万4366円

  • 〈男性〉年金月額:16万4742円
  • 〈女性〉年金月額:10万3808円

受給額ごとの人数

年金月額階級別の、老齢年金受給者数は以下のとおりです。

  • 1万円未満:10万511人
  • 1万円以上~2万円未満:1万8955人
  • 2万円以上~3万円未満:6万6662人
  • 3万円以上~4万円未満:11万9711人
  • 4万円以上~5万円未満:12万5655人
  • 5万円以上~6万円未満:17万627人
  • 6万円以上~7万円未満:40万1175人
  • 7万円以上~8万円未満:69万4015人
  • 8万円以上~9万円未満:93万4792人
  • 9万円以上~10万円未満:112万5260人
  • 10万円以上~11万円未満:111万9158人
  • 11万円以上~12万円未満:101万8423人
  • 12万円以上~13万円未満:92万6094人
  • 13万円以上~14万円未満:89万7027人
  • 14万円以上~15万円未満:91万3347人
  • 15万円以上~16万円未満:94万5950人
  • 16万円以上~17万円未満:99万4107人
  • 17万円以上~18万円未満:102万4472人
  • 18万円以上~19万円未満:99万4193人
  • 19万円以上~20万円未満:91万6505人
  • 20万円以上~21万円未満:78万1979人
  • 21万円以上~22万円未満:60万7141人
  • 22万円以上~23万円未満:42万5171人
  • 23万円以上~24万円未満:28万9599人
  • 24万円以上~25万円未満:19万4014人
  • 25万円以上~26万円未満:12万3614人
  • 26万円以上~27万円未満:7万6292人
  • 27万円以上~28万円未満:4万5063人
  • 28万円以上~29万円未満:2万2949人
  • 29万円以上~30万円未満:1万951人
  • 30万円以上~:1万6721人

こうして眺めると、厚生年金のボリュームゾーンは9万円以上~12万円未満のようです。平均の14万4366円には満たないのが現状ですね。つまり、一部の「高額受給者」が平均値を押し上げていると考えられます。

実際、30万円を超える厚生年金を受給している人が一定数いますね。

厚生年金の決まり方

将来もらえる年金の金額は、現役時代に納めた保険料と加入期間で決まります。では保険料はどのように決まるのでしょうか。

まずは4~6月の収入額を基準にして、「標準報酬月額」を算出します。「標準報酬月額」とは社会保険料を計算するために設けられた報酬月額の区分で、現在は32等級に分かれています。当てはまる等級に応じた保険料を、給与天引きにて納めるという仕組みです。

「標準報酬月額」は4~6月の収入額で算出するため、年収とは若干異なります。ただし著しく変動した場合には、「随時改定」という標準報酬月額の改定がなされるため、大きく差が開くことはありません。

「標準報酬月額」の最高はいくらか

ここまで読むと予想がつくと思いますが、年金の「高額受給者」は、言い換えれば「標準報酬月額」が高い人と言えます。実は「標準報酬月額」には上限があり、その基準をいくら超えても等級が上がることはありません。

上限である32等級というのは、標準報酬月額が65万円を指し、報酬月額で言う63万5000円以上の人が該当します。また賞与からも年金保険料が天引きされますが、こちらも同じ考え方で「標準賞与額」の上限は150万円です。

仮に月額65万円、賞与150万円×3回※を40年間もらうと考えると、理論上はマックスの年金が受け取れる計算になります。

※賞与を4回以上受け取る場合は計算方法が異なるため、ここでは3回として計算しています。

新卒でここまでの給与を受け取れる人は、ほんの一握りの人に限られます。標準報酬月額に上限がある以上、年数が経ってから給与をあげたとしても、新卒から高給だった人にまでは追いつけないのです。

こう考えると、「年金の高額受給者」を目指すよりも、「自分で老後資金を貯める」方が、はるかにハードルが下がることがわかりますね。

「高額受給者」の保険料は5万円台

先ほどの標準報酬月額から、等級ごとの保険料を抜き出してみます。

  • 30等級(標準報酬月額59万円):5万3985円
  • 31等級(標準報酬月額62万円):5万6730円
  • 32等級(標準報酬月額65万円):5万9475円

※保険料は事業主との折半後

上限ラインの給与を受け取った場合、厚生年金保険料は5万円台となります。この水準が数十年スパンの長期間で続けられれば、「高額受給者」になれることがわかりました。標準報酬月額が30万円(等級19)の人は保険料が2万7450円なので、その差は3万円前後です。

仮に標準報酬月額30万円の人が、「高額受給者」を目指して年収アップを図っても、保険料が3万円上がる一方で年金額がそこまで上がるとは言い切れません。どうしても加入期間がネックになるからです。

ただ、差額の約3万円を預貯金あるいは資産運用に回せれば、独自で老後資金の上乗せにはなります。あくまでも数字上でのシミュレーションですが、「年金をたくさんもらいたい」と思う方は、年収アップだけではなくこうした「資産形成」にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

参考資料