同じ時間をかけるのなら、その手段の工夫を
50代のお財布事情を確認してきましたが、非正規雇用の方、収入が少ない方、国民年金のみの方、厚生年金の加入期間が短い方などは老後の年金・貯蓄ともに少なくなることが予想されます。
仮に老後を65歳と仮定すると、残り約5~15年ほど。それまでに今からできる対策をとっていく必要があるでしょう。
まずはじめたいのは無理のない範囲で節約をして、出費を減らすこと。「続ける」ことが大切なので、無理のない範囲で検討しましょう。
しっかり貯蓄していくためにも、給料日に自動で貯めていく先取り貯金を利用するのはおすすめです。自動積立定期預金などを利用して、自然と貯まる仕組みを作りましょう。
万が一の時に備えた貯金が確保できている方は、一部に運用を取り入れるのもいいでしょう。今はつみたてNISAやiDeCoのように運用益が非課税になる制度もあります。
つみたてNISAやiDeCoは、毎月自分で選んだ金融商品に一定額を積み立てていく積立投資です。運用なのでリスクはありますが、投資対象を分散し、投資時期も長期間かけて分散していくことでリスクをある程度抑えることも可能です。できれば15年以上かけて運用すると考えておくといいでしょう。
同じ時間をかけて老後に備えるなら、一部に運用を取り入れ、長期的に成長すると思える先に積み立てていくのも効率的です。ただし損する可能性もあるので、情報収集をしてご自身で納得できるものを選びましょう。
お金の現実を知ることで、次に取るべき具体的な対策を考えることができます。自分は何ができそうか、考えてみてくださいね。
参考資料
- 内閣府「消費動向調査(月次)結果」
- 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集 2021年版」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」
- 厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
宮野 茉莉子