50代おひとりさま、その収入と貯蓄はいくらか
おひとりさまにとって、その生活を支えてくれるのが収入と貯蓄です。一般的に50代は人生で最も収入が高くなりやすい年代ですが、平均でどれくらいでしょうか。
厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」より、雇用形態別の賃金を確認しましょう。
男性(50~54歳/55~59歳)
- 正社員・正職員:43万1200円/43万5300円
- 正社員・正職員以外:24万2600円/25万2100円
女性(50~54歳/55~59歳)
- 正社員・正職員:30万2600円/30万3600円
- 正社員・正職員以外:19万5600円/19万500円
※「賃金」とは6月分の所定内給与額のこと。「所定内給与額」とは労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当、宿日直手当、交替手当として支給される給与)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額のこと。
上記をみると、正社員・正職員であれば男性で40万円、女性で30万円を超えます。一方で正社員・正職員以外になると男性で20万円台、女性は約19万円と20万円に届きません。
正規雇用を続けている方であれば収入も安定し、ある程度貯蓄もできますが、非正規雇用の方は状況によっては日々の生活や貯蓄が厳しいことも考えられます。
50代のおひとりさまがどれくらい貯蓄を保有しているのか、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」を参考に確認してみましょう。
50代単身世帯の金融資産保有額(金融資産非保有世帯を含む)
- 平均:924万円
- 中央値:30万円
上記を見ると、金融資産非保有世帯が41.0%、貯蓄100万円未満が10.4%。50代おひとりさまのおよそ半分が貯蓄0~100万円未満という現実がわかります。
一方で、50代で貯蓄1000万円を超えているおひとりさまは約2割です。貯蓄事情を見ると二極化している様子が分かりました。
一生独身の方や正社員として働き続け、きちんと貯蓄をしている方は50代でまとまった貯蓄を保有できるでしょう。
ただ一生独身であっても、非正規として働いていた方や貯蓄をする習慣がなかった方は貯蓄が少ない場合も考えられます。
また、離婚された方の中で育児のために一度退職するなどキャリアダウンをしたり、教育費や住宅ローンなどの負担があったりする場合には貯蓄が少ないことも考えられるでしょう。
キャリアや収入の違いは老後の年金にまで影響する場合があります。