大不況時の公共投資は効きが悪いが必要
バブル崩壊後の公共投資の効果が薄かったというのは、筆者も感じていますが、それは仕方のないことです。大不況の時には公共投資で雇われた元失業者が「どうせ再び失業するのだから、給料は使わずに貯金しよう」と考えてしまうからです。
仮にテレビを買ったとしても、テレビメーカーには社内失業者が大勢いるので、テレビを増産するために新しく労働者を雇う必要は無いわけです。というわけで、公共投資に直接従事した元失業者の分だけしか失業が減らないのです。
しかしこれは、大不況時には公共投資が不要だ、という事ではありません。山火事の時にコップで水をかけても蒸発してしまって効果が薄いですが、だから水をかける必要がない、とは言えません。水のかけ方が足りないのです。
バブル崩壊後に景気回復が見られなかったのは、公共投資が無駄だからではなく、公共投資が足りなかったからだ、と筆者は考えています。