公共投資はカンフル剤に過ぎない?
「公共投資に効果があったとしても、それは一時的なものであり、翌年に公共投資をしなければ元の不況に戻ってしまうのだから、公共投資はカンフル剤に過ぎない」、と考えている人もいるようですが、筆者はそうは思いません。
景気は自分では方向を変えないので、景気が下を向いているとそのまま悪化を続けてしまいますが、公共投資によって景気の方向を上向きに変えてやれば、今度は自分で上向きの回復を続けるようになるからです。
マッチで部屋を温めることは出来ないけれども、マッチでストーブに火をつければ部屋が温まる、というイメージですね。
少子高齢化による労働力不足に注意
今後、少子高齢化による労働力不足の時代が来ると、公共投資をしたくても労働者が集まらずに工事が出来ない、といった事になるかも知れません。実際、アベノミクスの公共投資は、労働力不足で工事が出来なかったものも多かったようです。
しかしこれは、公共投資が景気対策として使えないという事ではありません。失業者がいないので公共投資が不要だ、という事なのです。そうなれば、素晴らしいことですね。前向き思考で素直に喜びましょう(笑)。
本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。
塚崎 公義