もし親が認知症になったら、財産や相続はどうすればいいの?

知っておきたい民事信託の仕組みと特徴

世の中では高齢化社会への対応が大きな課題になっています。皆さんの身近なところでも、高齢の両親の介護、資産の管理、さらには相続にまつわる悩みを抱える方が少なくないのではないでしょうか? 今回は、次のようなQ&Aをもとに、「民事信託」のメリットについて紐解いていきたいと思います。

Q.私には、76才の父親がいます。父親は母に先立たれ、実家で一人暮らしをしています。最近、父親の物忘れが多くなり、病気がちになってきました。
父親は、実家の土地建物と貸家1軒を所有しています。父親が認知症になってしまった場合、不動産の管理は誰がすれば良いのでしょうか? 相続も心配です。事前にできる法的な対策があれば教えてください。

 

A.民事信託の活用をお勧めします。民事信託とは、簡単に言うと、財産を保有している人が、信頼できる家族・親族に自分の財産を託して、その財産を家族・親族のために管理処分してもらうという方法です。
家族・親族が認知症等で判断能力を失った場合、亡くなった場合に、スムーズに財産を管理・承継することができます。

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そもそも民事信託は何をするもの?

民事信託には「委託者」「受託者」「受益者」という当事者が登場します。それぞれ定義は以下の通りです。

「委託者」(自分の財産を託す人)
受益者のために、信託行為により、信託目的、受託者がなすべき行為等を定めて、その有する財産を受託者に移転する者

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弁護士・木村 道哉

1978年兵庫県神戸市生まれ。灘高校、早稲田大学法学部、中央大学ロースクールを卒業。
ちば松戸法律事務所、IN CONTROL LEGAL SUPPORT SERVICES、税理士法人山田&パートナーズ、弁護士法人Y&P法律事務所を経て、2016年9月にアカマイ法律事務所を設立。
東京弁護士会遺言信託部・不動産法部に所属し、一般社団法人ジャパン・タックス・インスティチュート「国際課税委員会」・「あるべき税制委員会」・「文化インフラ構築と税制研究会」に所属。著作として「国際相続の税務・手続 Q&A 第2版」(中央経済社、共著)がある。
現在は、相続・事業承継のほか、M&A・労務・知的財産権などの企業法務、国際案件等に取り組んでいる。