近年、よく耳にするようになった「年金問題」。
人口減少や少子高齢化など日本の抱える社会問題が根底にありますが、自分の将来の生活に直結する問題でもありますので、不安に思われる方も多いのではないでしょうか。
漠然とした悩みを抱えているままでは、考えは深まりません。
今回は公的年金のひとつである厚生年金を取り上げたうえで、「月25万円以上をもらう人の割合」をご紹介したいと思います。
厚生年金をおさらい
まず、日本の年金制度についてご説明します。
日本には「国民年金(基礎年金)」「厚生年金」のふたつの公的年金があります。
国民年金は、日本在住の20歳から60歳未満の人を加入対象としており、年金保険料は定額制となっています。
対象期間である40年間ですべての保険料を納付すれば満額を受け取ることができ、納付期間が足りなければその分給付額が差し引かれる仕組みになっています。
一方で厚生年金は、厚生年金保険の適用を受けている会社などの事業者に雇用されることが加入の条件となります。
年齢制限は「70歳未満」のみであるため、例えば20歳未満で会社に就職した場合も加入することとなります。
また、厚生年金は国民年金に上乗せする形での制度となるため、国民年金と併せて俗に「2階建て構造」などと呼ばれています。
「厚生年金がもらえるか否か」は勤務する組織での厚生年金制度の有無で決まり、「いくらもらえるのか」は勤務期間や報酬額などで決まります。
厚生年金で月額25万円以上もらう人はどのくらいの割合か
先ほど、厚生年金の支給額は勤務期間と報酬額で決まると説明しました。
では、月25万円以上もらえる人はどの程度いるのでしょうか。
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※厚生年金保険(第1号)の年金月額は、基礎年金(国民年金)部分を含みます。
上の図は、厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」を元に作成した、性別・年金月額別の受給権者数を表しています。
こうして見ると、性別によって受給権者数や平均年金月額に開きがあるなどいろいろな気づきがありますが、驚きなのは、月額25万円以上もらう人が全体のわずか1.8%ということです。
男性での比率は2.7%、女性での比率は0.1%となっています。
なお、「月額20万円」とした場合、比率は全体の16.1%となります。
男性での比率は23.6%、女性での比率は1.3%となっています。
25万円の場合と比較して比率はだいぶ上がりますが、それでも全体で見れば少数派です。
定量的な年金情報を得て現実的な思考を
もちろん、どのくらいの年金が必要かは個々人の家族構成や生活スタイルによって大きく異なるでしょう。
そのため、現状、大半の人は厚生年金の月額が25万円を下回っているという事実をひとつのヒントとし、今一度「自分は老後、いくら必要そうか?得られる見通しはあるか?」を考えてみることが重要だと考えます。
ちなみに、「ねんきん定期便」「ねんきんネット」などを活用することで、将来自分が年金をいくらもらえそうかを確認することができます。
漠然とした不安を抱いてモヤモヤしていた人も、こうしたツールを活用するなどして定量的に整理していくとより鮮明に状況を把握でき、現実的な思考に移ることができます。
リスクをとった資産運用が重要
生活に必要な金額は人それぞれである以上、将来を考えた際、「どう頭を捻ってもこのままではお金が足りない!」という人もいることでしょう。
その場合、リスクを取った資産運用が重要となってきます。
低金利下の現状、銀行にお金を預けているだけでは、効果的に資産を増やすのが難しい状況です。
一方、「投資」であれば、より高いリターンが期待できます。
もちろん、投資にはリスクが付きものです。「リターンがいくらになるかわからない」「損をするかもしれない」といった不安も生じてくることでしょう。
「いきなりハイリスクな投資は怖い」という人も多いと思いますが、世の中には投資信託や債券など数多くの投資商品があり、リスクも高低まちまちです。
投資初心者の方は、まずは好奇心のおもむくままに「投資ってそもそも何?」「どんな投資商品があるの?」といった初歩的な情報収集から始めてみると、楽しい資産運用のスタートが切れることでしょう。
参考資料
石津 大希
