今後への期待

昨今では人口が減り、高齢化が進み、公共交通が不便な場所は増えています。そのため地方では自家用車が欠かせませんが、運転が困難な方もおられます。そのような方のために前述の医療MaaSなどは期待が高まっていく取り組みでしょう。

ただし、このようなサービスはビジネスとして成立しづらいことが課題と思われます。それを解決するために複数の自治体をまとめてサービスを提供する・地方と都市をまとめてサービスを提供する等の取り組みも必要かもしれません。更に、人手の足りない地方では無人自動運転車の活用を行うなども有効かもしれません。

また、今回インストールしたMaaSアプリケーションのような事例では、複数の交通や交通以外のサービスの決済をまとめることで利便性が感じられるものの、アプリケーションを提供する企業は公共交通以外が良いかもしれません。公共交通がアプリケーションを提供する場合、同じような出発地、同じような目的地に駅を持つ同業他社が連携することができなくなり利便性が減少してしまうかもしれません。

まだ課題は残っていますが、目的に応じた最先端の車両を利用することで移動の負担を最小限に抑え、都市の公共交通がサブスクリプションになり利用者が増え目的地となる施設が潤い、交通と異業種が連携することで新たなビジネスが発生して雇用機会が増える可能性もあるなど、今後が楽しみな分野ではないでしょうか。

参考資料

岸本 範久