新年は久しぶりに帰省できた方もいるでしょう。冬休みを満喫できた方は、少しお財布事情が寂しいかもしれません。
少しでも手取りをあげたいところですが、毎月引かれるのが税金と社会保険料。特に社会保険料は、なんのために天引きされているのかイマイチわかりにくいですよね。
そこで、今回は社会保険料のうち、今の生活とは程遠い「年金」にフォーカスをあててみたいと思います。
いずれ受け取ることになる年金。年金保険料のしくみや平均受給額、さらには年金からも天引きされるお金についてせまります(※)。
【※参考記事】60歳定年後、働くシニアの給与はどのくらい?【高齢者雇用の実態】
日本の年金制度は2階建て構造
まずは年金のしくみを押さえておきましょう。
図を見ると、年金制度は2階建てになっていることがわかります。
1階部分:国民年金
日本に住む20~60歳未満の方が加入するのが、国民年金(老齢基礎年金)。保険料は一律で、2021年度は1万6610円(月額) です。納付書や口座振替で毎月納めたり、前納として2年分まとめて納めたりできます。
ちなみに2年度分の保険料をまとめて納付する場合、2年間で約1万5000円の割引になります。 自営業の方で年金保険料を負担に感じている場合などは、利用を検討してみてもいいですね。
2階部分:厚生年金
国民年金に上乗せする形になるのが、2階部分の厚生年金です。主に会社員や公務員などが加入します。保険料は報酬に応じた等級で決まり、納めた保険料によって受け取れる年金額も決まります。
これとは別に3階部分として、独自にiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)や私的年金などで備えている人もいます。
年金の制度をおさらいしたところで、実際にどれくらい受給されているかを確認します。納めた分、しっかり受け取れているのでしょうか。
国民年金、みんなの受給額は?
国民年金の保険料は一律でしたね。仮に40年間きっちりと納めた場合、満額は月額6万5075円になります。 実際の受給金額を、厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に見てみます。
国民年金の年金月額
全体平均月額:5万6252円
- 男子平均月額:5万9040円
- 女子平均月額:5万4112円
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男女ともに平均は5万円台で、ボリュームゾーンは「6万~7万円未満」。満額に近い数字になっていますね。
厚生年金、みんなの受給額は?
同資料から、会社員や公務員等が受け取る厚生年金保険(第1号)を眺めてみます。
厚生年金保険(第1号)の年金月額
※国民年金を含んだ金額です。
全体平均月額:14万4366円
- 男子平均月額:16万4742円
- 女子平均月額:10万3808円
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国民年金と違い、男女で6万円もの差が出ることがわかりました。月額で6万円なので、年額では72万円の差です。
厚生年金は現役時代の年収が影響するため、共働きの少なかったシニア世代では、このような差が出ていると考えられます。今は共働きが多いので、今後差が埋まるという予想もあります。
しかし共働きとは言っても、子育て世代で「正社員としてフルタイムで働いている」男性と女性は、まだまだ同数とは言えません。年金の男女差は、今後もしばらくは続くでしょう。
年金からも「天引きされるお金」があるって本当?
ここまで、「現役時代に納める年金保険料」と「年金受給額の平均」を見てきました。国民年金だけの自営業者や、厚生年金の加入期間が短い女性など、年金だけで生活するのは少し厳しい現実がわかりました。
しかし、年金からも天引きされるお金があることをご存知でしょうか。
総務省の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支」によると、65歳以上の高齢単身無職世帯では、「直接税6430円」「社会保険料5082円」 が平均でかかっています。
年金額によっては、これらは年金から天引きされることになります(天引きされない場合でも、納付書や口座振替で納めなければなりません)。
直接税や社会保険料の主な中身は次のとおりです。
介護保険料
40歳から健康保険料に上乗せして納付していた介護保険料を、65歳以降は単独で支払う必要があります。年金年額が18万円以上の場合は年金天引きされるので、覚えておきましょう。
健康保険料
健康保険料も年金から天引きされます。自営業者が加入する国民健康保険料(税)や、75歳になると全ての人が加入する後期高齢者医療保険料などです。
市区町村民税(個人住民税)
各市区町村に納めている住民税も、年金から天引きされます。
※介護保険料から天引きされていることや、「老齢もしくは退職を支給事由とする年金受給者で、年間の年金支給額が18万円以上」などの条件があります。
年金の「3階部分」を検討しよう
年金の実情を眺めてきました。2カ月に1回だけの受給で、さらに天引きされて手取りが減ることを考えると、改めて自助努力の必要性を感じた方も多いのではないでしょうか。
1月はお金の計画をたてる最適なタイミングです。1月を始期として、年間貯蓄計画を立ててみましょう。貯蓄だけでなく、時間を味方につけた「資産運用」を検討してみてもいいかもしれません。
例えば税制メリットの高いiDeCoであれば、掛け金が所得控除になり運用益も非課税です。さらに受け取るときにも税負担が軽減されるため、3階部分の年金としては検討しやすいでしょう。
もちろん、元本割れするリスクはゼロではないので、しっかり情報収集することが必要不可欠です。幅広くアンテナを張り、自分にあった貯蓄計画を立ててみましょう。
参考資料
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 日本年金機構「国民年金保険料の「2年前納」制度」
- 日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支」
太田 彩子
