DXの誤解

続いてDX(デジタルトランスフォーメーション)の誤解を見てみましょう。経済産業省は2020年年末に発表した「DXレポート2(中間とりまとめ) 」において、以下のように分析しています。

「先般のDXレポートによるメッセージは正しく伝わっておらず、『DX=レガシーシステム刷新』、あるいは、現時点で競争優位性が確保できていればこれ以上のDXは不要である、等の本質ではない解釈が是となっていた」としています。

そもそも日本のDXは、同レポートによると、実に全体の9割以上の企業がDXにまったく取り組めていない(DX未着手企業)レベルか、散発的な実施に留まっている(DX途上企業)という壊滅的な状況のようです(2020年10月時点、独立行政法人情報処理推進機構のDX推進指標の自己診断結果・回答企業約500社)。

「RPAの誤解」「DXの誤解」。この二つの現象から共通して読み取れることは、“要はデジタル化すればいいんでしょ"というように、デジタルテクノロジーの話に本質を矮小化してしまうことです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の本質も、本来は前段の「デジタル」ではなく、後段の「トランスフォーメーション(変革)」にあります。

それは、当初のDXレポートから明記されているのですが、どうしても、本来のゴールとは異なり、デジタルテクノロジーの話に矮小化されてしまう。

なぜ、そのようになるのかを次に考えてみます。