退職後の生活を考えたとき、気になるのは「年金はいくらもらえるのか」ということ。かつて、老後は公的年金だけでは2000万円が不足する、いわゆる「老後2000万円問題」が注目を集めました。
少子高齢化の進行、そして長引くコロナ禍。働く現役世代は「老後の暮らしとお金」にしっかり目を向けていく必要がありそうです。
さて、老後の必要資金を考えるとき、年金でもらえる額から生活費を差し引いて計算する必要があります。
そこで今回は、年金の平均受給額を紐解いていきます。老齢基礎年金(国民年金)と厚生年金にわけて見ていくことで、目安の受給額(※編集部注)を知りましょう。
公的年金のしくみ
日本の年金制度は2階建て構造になっています。
1階部分は、要件を満たせば誰もが受給できる老齢基礎年金(国民年金)。20歳から60歳未満の、日本人国内に住む人全てに加入義務があり、最大40年間国民年金保険料を納めます。
2階部分は会社員や公務員が上乗せで受給できる厚生年金です。年金保険料は所得によって決まり、勤務先と折半して支払います。
つまり、自営業やフリーランスなどは基礎年金(国民年金)だけの受給、会社員や公務員は基礎年金(国民年金)+厚生年金を受給できるということです。
基礎年金の平均受給額は?
まずは基礎年金(国民年金)の平均受給額を見てみましょう。厚生労働省の「令和元年(2019年)度 厚生年金・国民年金事業年報」を参考にして、男女それぞれの平均をまとめました。
合計:5万5946円
- 男性:5万8866円
- 女性:5万3699円
性別による差異はほとんどなく、どちらも5万円台。基礎年金だけの受給だと、老後を過ごすのに少し心許ない金額です。では上乗せ部分の厚生年金平均受給額はいくらぐらいなのでしょうか。