女性の社会進出は、晩婚化や未婚化の要因のひとつと言われています。
最近では、女性が活躍できる舞台を整える企業も増えており、その中で仕事にやりがいを感じ、キャリアを崩したくないと考える女性も増えてきているのではないでしょうか。
その一方、結婚や出産を機に家庭に入る女性が多いことも事実でしょう。
ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(WEF)が発表した報告書によると、世界156カ国の男女格差を比較した結果、日本は世界で120位、主要7カ国(G7)で最下位という結果に。
SDGsの目標にも掲げられているジェンダー平等を達成するには、まだまだ時間がかかりそうな日本の現状。子育てを一手に担当し、かつパートをしながら家計を支える女性はまだまだ多いのではないでしょうか。
私は以前、生命保険会社に勤務しファイナンシャルプランナーとして多くのみなさんのお金にまつわる相談を受けてきました。その経験もふまえ、現在のシニア世代のデータを参考に、女性の年金受給額事情を紐解きつつ、老後へのお金の備え方についてお話したいと思います。
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厚生年金「みんなの受給額はどのくらい?」
厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」から、厚生年金保険(第1号)の年金月額をみていきましょう。
※厚生年金保険(第1号)の年金月額は、基礎年金(国民年金)部分を含みます。
厚生年金保険(第1号)平均年金月額
厚生年金保険(第1号)平均年金月額
全体…14万4268円(男子…16万4770円・女子…10万3159円)
厚生年金保険(第1号)【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~5万円未満:15万977人・5万円~10万円未満:97万6724人
10万円~15万円未満:261万3866人15万円~20万円未満:436万9884人
20万円~25万円未満:224万9128人・25万円~30万円未満:28万8776人
30万円以上:1万7626人厚生年金保険(第1号)【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~5万円未満:31万5100人・5万円~10万円未満:234万1321人
10万円~15万円未満:218万2510人・15万円~20万円未満:41万2963人
20万円~25万円未満:6万3539人・25万円~30万円未満:4166人
30万円以上:379人
平均受給額の男女差は約6万円。この差は非常に大きく感じますね。
女性に特化して見ていくと、厚生年金受給額のボリュームゾーンは「5万~10万円未満」。そして約半数が「10万円未満」となっています。
やはり、今のシニア世代でみると結婚や出産、育児などで家庭に入る可能性の高い女性の受給額が低くなっていると考えられるでしょう。働き方が多様化してきているとはいえ、仕事と家庭とのバランスをとっていくことはまだまだ課題も多いようです。