新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対応する緊急事態宣言。その対象となる道県が増えています。

2カ月後に迫る東京五輪。これが私たちの生活にどのような影響や変化をもたらすのかさえ、まったく予測ができません。長期化するコロナ禍。見通しの立ちにくい状態が、今しばらく続くことは覚悟しておく必要があるでしょう。

とはいえ、長寿時代を踏まえた「老後のお金対策」は、できるだけ早めに意識しておく必要があることには変わりません。

働き盛り世代のみなさんの中には、仕事やお金の不安を抱えながら、教育費や住宅ローンといった目前の「必要経費」に家計を圧迫されている、というケースも多いでしょう。

「老後資金のことまで考えている余裕はない」そんな本音も聞こえてきそうですね。では、ここで、リタイヤ後の生活には、どのくらいのお金が必要となりそうかちょっと覗いてみましょう。

金融広報中央委員会が公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年調査結果」によると、「老後のひと月あたりの最低生活費」は、60代で28万円、70代以上で31万円。

先輩たちが実感する、この「最低生活費」に近い年金額を受給できている人はどのくらいいるのでしょうか。

今回は、最新の厚生年金受給額を確認しながら、「老後のお金」について、いっしょに考えていきましょう。

厚生年金「いまどきシニアの受給額」

まず、厚生年金の受給額の月額を、男女別に確認します。

2020年12月に厚生労働省年金局が公表した「令和元年度 厚生年金・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均年金月額は14万4268円(男性16万4770円・女性10万3159円)です。

次では、その受給額の分布を男女別にみていきます。