「老後のお金」を考える

老後に受け取る厚生年金の金額は、現役時代の収入や働き方が反映されます。

働き方の選択肢がひろがるいま、「脱サラしてフリーランスに転身」「やりたい仕事を求めて転職」などの理由で収入が大きく減る可能性は、誰にでもあります。

また、業績不振に苦戦する企業が増えるコロナ禍。雇い止めや解雇などのリストラに直面し、正規雇用から非正規雇用への軌道修正を余儀なくされるケースが増えることも考えられます。

仮に60歳までずっと厚生年金に加入していた場合でも、年齢とともに収入がアップしていくとは限りません。

やはり公的年金だけが「命綱」となる老後は、かなり心許ないといってよさそうですね。そこで大切になるのが、若いころからの資産形成に対する意識です。

お金との付き合いは「一生続く」

コツコツと時間をかけてお金を積み立てていくことは、老後の不安を解消する一つの方法であるといえそうです。最初は少額からのスタートでもよいでしょう。

私たちとお金の付き合いは一生続くものです。家計を管理するスキル、そして、貯蓄を継続する根気は、生きていくうえで貴重な財産であると筆者は感じています。

老後の生活に必要となる金額には、家族構成、健康状態、住まいの形態といったさまざまな背景によって個人差が生じます。よって、「老後はいくら必要だ」とひとことで言い切ることはできません。

とはいえ、公的年金だけで老後の生活費をすべてまかなうことができる世帯は、限られたほんの一握りであると考えてよさそうです。