私たちの老後の暮らしを支える柱となる公的年金。実際の受給額は、年金加入期間や現役時代の働き方によって人それぞれです。

サラリーマン(会社員や公務員)は、国民年金(基礎年金)に上乗せして厚生年金に加入します。厚生年金の場合、収入に応じた年金保険料を給与天引きで納付するしくみ。よって、現役時代の収入が、老後の受取額を大きく左右するのです。

定年延長や、再雇用・再就職などで働き続けるシニア世代が増加中。パート・アルバイトなどの人への社会保険適用の拡大も予定されています。厚生年金に加入する人は今後も増えていくことが推測されます。今回は、厚生年金の保険料と受給額について見ていきましょう。

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厚生年金の「年金保険料」どうやって決まるの?

日本の公的年金制度は、国民年金(基礎年金)と厚生年金から成り立ちます。

働き方で、加入する年金制度が異なります

老後に受け取る年金にも個人差が生じます

厚生年金に加入していた人は、「老齢基礎年金」に上乗せして「老齢厚生年金」を受け取ります。老齢基礎年金の支給額は、年金保険料の未納期間に応じた金額を「満額」から差し引く形で計算されます。

国民年金(基礎年金)の年金額・受給額(2021年度・月額)

  • 国民年金保険料・・・1万6610円
  • 老齢基礎年金の満額(40年間保険料を納めた場合に受け取れる額)・・・6万5075円
  • 平均年金月額(実際の受給額平均)・・・5万5946円(男性:5万8866円・女性:5万3699円)

厚生年金「受給額の計算方法」

ここからは、厚生年金の受給額や保険料について詳しく見ていきます。まずは老後の受給額はどうやって決まるか見てみいきます。

65歳以上の「老齢厚生年金」受給額はこう決まる

老齢厚生年金の受給額=報酬比例年金額+経過的加算+加給年金額

「報酬比例年金額」部分は、「平均標準報酬月額(※1)」および「平均標準報酬額(※2)」に生年月日に応じた率(乗率)と加入月額を掛け、さらに、最近の賃金水準や物価水準で再評価するために「再評価率」を乗じて求められます。

経過的加算や加給年金額、厚生年金の加入月数は人それぞれです。ねんきん定期便やねんきんネットで確認しましょう。

※1の「平均標準報酬月額」とは、2003年3月までの被保険者期間について、各月の標準報酬月額(※)の総額を、加入期間の月数で割った金額です。

(※標準報酬月額は「被保険者が事業主から受ける毎月の給料などの報酬の月額を区切りのよい幅で区分した」額のこと。2021年現在は1~32等級に分類されています)

※2の「平均標準報酬額」は、2003年4月以降の被保険者期間について、各月の標準報酬月額標準賞与額(※)の総額を加入期間の月数で割った金額です。

(※標準賞与額は税引前の賞与総額から千円未満を切り捨てたもの。厚生年金の場合、1カ月あたり150万円が上限です)