食費から考える「ゆとりある年金世代」になるために

ここまでは、世代別の「食費事情」を眺めてきました。ここからは「老後の暮らしとお金」について考えます。

生命保険文化センターの意識調査によると、老後、夫婦世帯に必要となる「最低日常生活費」はひと月22万1000円。ゆとりある暮らしを送る場合は、36万1000円が必要とされています。

今回の家計調査における「65歳以上世帯」の消費支出(生活費)は約24万1724円。上記の「最低日常生活費」を若干オーバーする程度ですね。

では、老後の生活を支える「公的年金」に目を向けます。

標準的な夫婦世帯の年金額は厚生年金の場合約22万円(※1)です。また夫婦ともに国民年金(満額)を受け取れる場合は、夫婦合算で約13万円です(※2)

  • ※1 令和3年度は22万496円。ただし、平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
  • ※2 令和3年度の国民年金(満額)は、月額6万5075円です。

日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」

ゆとりある「年金世代」になるために

一度慣れてしまった生活レベルを下げることはたやすいことではありません。特に老後の年金生活では、現役時代よりも少ない収入で暮らしていく必要があります。

お金をかけるポイントと、節約するポイントは人それぞれ。働きざかりの若い世代は、ライフスタイルを大切にしながら家計管理に励んでいきたいものです。

長い老後を見据え、預貯金や資産運用でしっかりお金を貯めて・育てていきたいものですね。日頃の暮らしぶりの見直しから始め、貯蓄に回す金額を少しずつ増やしていきましょう。まずは食費から(笑)。

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参考資料

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]「用語の解説」によると、
「ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める」とあります。