2025年は、いわゆる「団塊の世代」がすべて後期高齢者となる年。同時に高齢者の5人に1人が「認知症患者」となることが推測されている年でもあります。(※)。

認知症の症状や困りごとは十人十色。信頼できる主治医と出会い、適切な治療を受けることが大切です。そこで必要なのが、医療機関を受診するきっかけ。家族や周囲の人が少しでも早めに「兆候」に気付いてあげられるのが理想的なのですが……。

筆者(LIMO編集部員)は、認知症の母親を介護中。そして、小さな兆候(らしきもの)を見抜けず後悔している一人でもあります。今日は実体験を交えながら、「あのとき気がついておけばよかったかも?」と感じていることを綴っていきます。

※厚生労働省「認知症の人の将来推計について」

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「認知症」にどんなイメージを持っていますか?

さて、認知症の症状として、多くの人がまず思い浮かべるのは「もの忘れ」かもしれませんね。

何度も同じことを聞いたり、夕飯を食べたことを覚えていなかったり……、といったエピソードは分かりやすい例でしょう。

当事者家族になるまでは、筆者もそんなイメージを持っていました。しかし、実際には、認知症の症状には「傾向」があるとはいえ、その出方や困りごとは人それぞれです。そして、その兆候もしかり。

次では、「あれも認知症の前兆だったのか?」と、今だから思えるエピソードを3つご紹介します。

【ご参考】認知症とは

認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。認知症の症状は、記憶障害や見当識障害、理解力・判断力の低下などの中核症状と、行動・心理症状(BPSD; Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)に大別できます。

厚生労働省の「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」より引用・抜粋