「認知症の前兆?」家族が見落とした3つの問題行動
認知症を疑ってクリニックを受診するまでに、母には色々な「不思議な行動」が見られました。治療開始後、主治医の話や参考書籍に触れて「もしや、あれも認知症のサインだったのか?」と思えるものも。ここでは3つピックアップしてご紹介します。
① 真夏でもフリースを愛用していた
正式に認知症と診断される1,2年前から、母の服装が季節とそぐわないことが増えました。真夏にフリースジャケットを羽織ったり、冬でも薄い麻のブラウスを着ていたり……。
とはいえ、他人に迷惑がかかるわけではありません。本人の健康面にも支障がなかったため、家族は笑い話として捉えていました。
【今となっては……】
場所、時間、季節などが分からなくなる「見当識障害」の一例として「季節に合った洋服を選ぶことが難しくなる」という症状もあるといわれます。
主治医からは、部屋の中に季節感を取り入れた小物を置いてみては?と勧められました。夏であれば風鈴や涼やかなのれん、冬であればクリスマスツリーなどですね。
② 料理の味付けが変!?
季節感のない服装が目立つようになったのと同じ頃。母の台所作業に、明らかな異変が表れます。
みそ汁に「だし」が入っていない、といった程度から始まり、塩と砂糖を入れ間違える、冷凍食品のパスタをお湯でゆでてしまう、というレベルにまで達しました。
また同じ時期に、食材の買いだめも目立つように。冷蔵庫は消費しきれなかった生鮮食品でいっぱいになり、野菜の液状化現象(!)の頻度も増えていきました。
料理の「バグ」も、冷蔵庫の「カオス」そのものも問題であることは確かです。しかし、バグやカオスを当の本人がまったく気に留めていなかったことこそ、最も問題視する点だったのだろうと筆者は考えます。
【今となっては……】
認知症の症状の一つに「いままでできていたことができなくなる」といった現象があります。料理の味付けを間違えるのもその一つ。
また、嗅覚の低下は、認知症との関係が深いという調査結果も。料理の「マズさ」や、冷蔵庫の「ヤバさ」に気づきにくくなっていたことは大いに考えられるような気が。あの時点で気づいていれば……。