10月1日に緊急事態宣言が解除され、ひと月が経ちました。みなさんはどのようにお過ごしでしたか?

友達と飲み会、家族で外食、夫婦で久々の旅行など、いままで出来なかったことを楽しまれている方もいらっしゃるでしょう。コロナ禍で消費は抑えられてきましたが、世の中は通常運転に戻ろうとしています。

そこで気にかかるのは家計の収支。年金世代の方であれば、この1カ月で生活費がだいぶ増えたという世帯も多いかと。これから老後を迎え年金を受け取る方も気になるのではないでしょうか。

そこで今回は、年金のモデルケースを検証し、次に単身世帯と共働き世帯の年金額についても触れていきます。

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年金のキホンをおさらい

「2階建て構造」などと呼ばれる、日本の年金制度の基本をおさらいします。現役時代に加入する年金制度によって、老後に受け取る年金も変わります。

働き方や立場によって、加入する年金が変わります。

老後に受け取る年金も、現役時代の加入状況によって異なります。

  • 1階部分「国民年金」:日本に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務
  • 2階部分「厚生年金」:公務員や会社員などが「国民年金」に上乗せして加入

加入資格を満たした場合に老後に受け取る年金は以下の通りです。

  • 「国民年金のみ」に加入していた人…「老齢基礎年金」のみの受給
  • 「厚生年金」に加入していた人…「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」の受給

「モデル年金」は、ひと月いくら?

ここで、年金受給水準の指標としてしばしば用いられる「モデル年金」について触れます。日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」によると、モデル世帯の年金は以下のようになります。

令和3年度モデル年金の月額:22万496円

  • 夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額
  • 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業
  • 受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

この年金額は、「40年間ずっと、ご主人が働いて、奥様が専業主婦だった世帯」を想定したものです。モデル世帯とはいえ、令和のいま、多数派とは言いがたい世帯構成かもしれません。

では、単身世帯や共働き世帯の場合はどのような金額になりそうでしょうか。シングル世帯の場合は、年金受給平均額をそのまま見ていただくことで、ご自身がどのくらい受け取れるかがわかります。

以降、国民年金と厚生年金の平均受給額を見ていきましょう。