「収入が多ければ貯蓄も多い?」
そんなイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実際はどうでしょう。稼ぎや貯金の話題は親しい仲でもそう簡単に出せないものです。
そこで本日は、証券会社で約20年の経験をもち、現在はFPの資格保有者としてファイナンシャルアドバイザーの筆者から、実際のところ、年収と貯蓄額は連動するものなのか、データを眺めながらお話をしたいと思います。
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「年収400万円~1000万円世帯」~年収と貯蓄の比率~
総務省統計局が公表する「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)」第8-2表から、「みんな年収の何割程度の貯蓄があるのか」にフォーカスします。
厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査」によると、1世帯当たり平均所得金額は552万円、中央値は437万円。まずは、この「中央値 437万円」が含まれる「年収400万円~450万円世帯」の貯蓄の内訳から見ていきましょう。
「年収400万~450万円世帯」貯蓄の内訳
二人以上の勤労世帯
貯蓄合計:911万円
- 通貨性預貯金:290万円
- 定期性預貯金:286万円
- 生命保険など:228万円
- 有価証券:88万円
- 金融機関外:18万円
「年収400万~450万円世帯」の貯蓄額は911万円となっています。年収に対する貯蓄の比率は約2.0倍から約2.3倍です。
年収500万円~600万円台世帯の貯蓄事情は?
続いて、「年収500万円~550万円世帯」についてもみていきます。
年収500万~550万円世帯」貯蓄の内訳
二人以上の勤労世帯
貯蓄合計:869万円
- 通貨性預貯金:315万円
- 定期性預貯金:283万円
- 生命保険など:179万円
- 有価証券:80万円
- 金融機関外:13万円
「年収500万~550万円世帯」の貯蓄額は869万円となっています。年収の約1.6倍~1.7倍を貯蓄できているようですね。
年収ゾーンが変わっても、「年収に対する貯蓄の比率」は大きく変わりません。
次は、1世帯当たりの所得金額の平均である552万円が含まれる、「年収550万円~600万円世帯」です。
「年収550万~600万円世帯」貯蓄の内訳
二人以上の勤労世帯
貯蓄合計:1030万円
- 通貨性預貯金:372万円
- 定期性預貯金:262万円
- 生命保険など:279万円
- 有価証券:97万円
- 金融機関外:19万円
「年収550万~600万円世帯」の貯蓄合計は1030万円ですね。この年収帯以降、貯蓄額は1000万円超をキープします。
この年収ゾーンは、年収の約1.9倍~2.0倍の貯蓄があります。
年収800万円~1000万円台世帯の貯蓄事情は?
次は少し飛んで年収800万円~900万円の世帯についても見ていきます。
「年収800万~900万円世帯」貯蓄の内訳
二人以上の勤労世帯
貯蓄合計:1501万円
- 通貨性預貯金:552万円
- 定期性預貯金:399万円
- 生命保険など:310万円
- 有価証券:187万円
- 金融機関外:54万円
実はこの年収ゾーンで、貯蓄合計は1500万円の大台に乗ります。年収に対する貯蓄の比率は約1.7倍~約1.9倍です。
では、「年収900万円~1000万円世帯」もみてみましょう。
「年収900万~1000万円世帯」貯蓄の内訳
二人以上の勤労世帯
- 貯蓄合計:1645万円
- 通貨性預貯金:573万円
- 定期性預貯金:477万円
- 生命保険など:384万円
- 有価証券:139万円
- 金融機関外:72万円
年収に対する貯蓄の比率は、1.7倍から1.9倍です。
「稼ぐチカラ」と「貯めるチカラ」は比例しない
今回の家計調査の結果をみると、二人以上・勤労世帯の貯蓄額自体は、年収が増えるにつれて増える傾向にあります。
一方、「年収に対する貯蓄の比率」は、年収400万円以上の世帯について見ていくと、1.6倍から2倍程度で推移しています。その比率は、年収が増えても大きく変わりません。
ご自身が「稼ぎに対して、きちんと貯蓄ができているだろうか?」と感じたときは、まずは年収の2倍前後の貯蓄があるかどうかが指標になりそうですね。
貯金のペースや努力の具合は、「限られた収入から、どの程度貯蓄に回せているか」で判断される部分も大きいでしょう。
そこで大切にしたいのが「貯蓄の目標」です。たとえば、人生三大資金といわれている「教育資金」「住宅資金」「老後資金」。これらは日頃の生活費とは切り離して準備していく必要があります。たとれば、教育資金は学資保険、住宅ローンの頭金は住宅財形といったように、用途に分けてお金を「色づけ」しながら準備していくのがお勧めです。
老後資金については、働き盛りの現役世代であればじっくり時間をかけて準備していくことができます。投資信託の積立など資産運用の活用も視野に入れながら、貯蓄目標を立てていけるとよいかもしれません。
