シュナイダーのサステイナビリティ戦略のコア
ここまでシュナイダーのサステイナビリティ戦略についてみてきました。
その中から、同社のサステイナビリティにおける戦略、つまり同社が他社に対して競争優位を確立するポイントは、同社のサステイナビリティの考え方を自社の事業に関する部分だけではなく、サプライヤー企業に対してもコミットメントを出しているということやコミュニティにも及んでいることといえそうです。
こうした視点は一見すると、日本人からするとこれまではスコープ外、ややもすれば越権行為のような印象も受けますが、現在のサステイナブルな企業活動という観点からはステークホルダーすべてを巻き込んでいく姿勢というのが評価されているといえそうです。
加えて、ここまで見てきたように、社内だけではなく、社外に対しても数字をもってコミットメント、つまり約束をしていくという姿勢が評価されているといえるでしょう。
こうした数字は現時点では、シュナイダーが自分たちで設定した数字であり、過去よりは改善しているという比較でしかないのですが、今後はこうした改善が社会に対してどれくらいインパクトがあるのか、また自社の企業価値に対してどれくらい貢献するのか、また多謝比較、同一産業内比較といった視点も出てくることでしょう。
もっとも、事業会社ごとに事情は異なるのは当然ですから、一様に比較するのは難しいということはありますが、今後サステイナブル戦略という名のもとに、産業ごとにベンチマークというような必ず意識しなければならない基準も確立される可能性もあり、早期に対応し、基準を創り上げられるような企業が有利なポジションを確立する可能性もあります。
今後はこうした視点を持ち合わせて企業ごとのサステイナブル戦略、投資家向けのESG戦略説明、企業としてのSDGs活動を分析していく必要がありそうです。