日本中を沸かせた、真鍋淑郎博士(90)のノーベル物理学賞受賞。受賞理由は「気候の物理的モデリング、気候変動の定量化、地球温暖化の確実な予測」に関する業績でした。ただ受賞後の会見での「日本に帰りたくない」発言が大きな波紋を投げかけましたね。

今回はこの発言の裏側にある、日本における多様性やイノベーション観について考察してみます。

想像以上に波紋を投げかけた発言

テレビニュースで見た会見映像では、真鍋博士も、それほど痛烈に日本批判していたわけではなく、なかば冗談のように話しておられました。会場では笑い声もありました。

結局、この発言は博士の想像以上に波紋を投げかけた面もあると思います。その理由を考えると、「日本に帰りたくない」に続いた、その理由です。

博士は「日本に戻りたくない理由の一つは、周囲に同調して生きる能力がないからです」と発言。これが日本人の心に決定的に響いてしまったのだと思います。世界中のどこの国よりも、祖国・日本の人々の心に突き刺さってしまった。

ネットでは「これは考えさせられるな」「記者達は笑っていたけど私は笑えなかった」 「日本人はどう受け止めればよいのか」。そんな声があふれかえっています。