今年(2021年)、大手不動産仲介会社で不祥事が相次いで起こりました。

5月にA社の男性社員が、物件案内をした際に女性に対して強制わいせつ行為を働いたとして逮捕。7月には、同じA社の管理物件において架空の修繕費を請求されて損害を受けたとして、オーナー側がA社に対して2億8,000万円の損害賠償を求める提訴を行っています。

強制わいせつなどという言語道断な事件は論外ですが、修繕や原状回復の現場では、A社に限らず、入居者やオーナーの無知を逆手に取った行為がまだまだ横行しています。

そのため前回は、「契約時」と「更新時」によくあるトラブルと、悪徳業者を撃退する方法を解説しました(『ヤバい不動産仲介会社「汚い手口」の基礎知識。損しないための撃退法は?』参照)。

しかし、実は「退去時」にもトラブルは起こりがちです。「敷金が返ってこない」「家賃1ヶ月分の修繕費を請求された」というような話を聞いたことがある方も多いかもしれませんね。そこで今回は、退去時に悪徳仲介業者が仕掛けてくる手口の基礎知識を徹底解説します。

今回の記事と前回の記事をお読みいただければ、部屋探しで損をすることはなくなりますし、もしあなたがオーナーであれば、こうした業者の所業によって不利益を被ることもなくなります。ぜひ最後までご覧ください。

賃貸の退去時によくあるトラブルと対処法

退去時の代表的なトラブルは、なんといっても「敷金の精算」でしょう。あなたも借りているアパートを退去するときに、敷金を超える費用を請求された経験はないでしょうか?

私ウラケンも、社会人になってから10回ほど引っ越しを経験していますが、敷金をぼったくられそうになった経験は何度もあります。預けていた敷金2ヶ月分が丸々返ってこないばかりか、3ヶ月分ものリフォーム費用を請求されたこともあります。しかし、幸いにも私は建設業界で働いていたため、うまく対応することができました。