人生100年時代を前提にライフプランを考えることが常識になりつつある現代。長い老後生活の収入は、多くの方にとって「公的年金」が大きな柱になるでしょう。

そこで今回は、FPの資格を持ち、証券会社にて約20年資産運用コンサルティングに携わってきた私から、公的年金の国民年金と厚生年金がひと月の受給額と年金格差を縮める方法について解説します。

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国民年金、ひと月のいまのシニアの受給額

まずは、厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」を参考に、年金の平均額を見ていきます。

自営業・フリーランス・専業主婦(主夫)などのみなさんが受け取る「国民年金(老齢基礎年金)」は以下の通り。

国民年金・平均年金月額

全体平均:5万5946円

  • 男子平均:5万8866円
  • 女子平均:5万3699円

原則、20歳以上60歳未満の方が加入する国民年金の場合、男女の受給額の差はわずかです。

さらに詳しく年金事情のリアルに迫るためにも、受給額の分布をながめましょう。

国民年金【男子】年金月額階級別老齢年金受給権者数

~1万円未満:1万2693人・1万円~2万円未満:6万803人・2万円~3万円未満:22万1983人
3万円~4万円未満:70万6206人・4万円~5万円未満:134万5582人・5万円~6万円未満:312万4529人
6万円~7万円未満:849万4551人・7万円以上:38万1323人

国民年金【女子】年金月額階級別老齢年金受給権者数

~1万円未満:6万6247人・1万円~2万円未満:24万4695人・2万円~3万円未満:74万63人
3万円~4万円未満:226万4161人・4万円~5万円未満:336万406人・5万円~6万円未満:454万1337人
6万円~7万円未満:598万7227人・7万円以上:144万306人

国民年金受給額のボリュームゾーンは、男女ともに「6万円~7万円未満」。

国民年金の年金保険料は一律で、月額1万6610円です。老後に受け取る金額は、満額(※1)から未納月数分に応じた額が差し引かれてきまるため、男女の差があまりないことが特徴です。

しかし国民年金だけの場合、これのみで老後生活を送れないですから、早いうちからしっかりとご自身で老後資金の準備を進めておくことは必須といえるでしょう。

※1 国民年金の「満額」:20歳から60歳までの全期間(480カ月)年金保険料を納めた場合に受け取れる年金額。2021年度は月額6万5075円。