10月17日は「貯蓄の日」です。皆さんご存じでしたか?

毎年この日に伊勢神宮で行われる「神嘗祭」に由来する記念日で、1952年に日本銀行が制定したものです。そこには勤労の「収穫物」であるお金を大切にしようという願いが込められています。

貯蓄をコツコツ続ける根気は、衣食住を成り立たせるために欠かせないスキルですね。自分と同じ世代がどのくらい貯めているのかも気になるところですが、そもそも年収は人それぞれ。「平均額と比較して一喜一憂するのもちょっとなぁ・・・・・・」なんて感じている人も多いでしょう。

そこで今日は「働く世帯の年収と貯蓄」の関係を、総務省統計局が公表する「家計調査報告」のデータをたよりに眺めていきます。年収が多ければ、貯蓄も多くできそうなイメージがありますが・・・・・・実際はどうでしょう。

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「働く世帯の貯蓄事情」みんな、どのくらい貯めている?

総務省が公表する「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」によると、二人以上世帯の貯蓄現在高の平均値は1791万円、中央値は1061万円、負債現在高の平均値は572万円です。ひと世帯の年間収入は634万円で、前年より5万円増えています。

これを勤労者世帯(二人以上世帯に占める割合は54.4%)に限定すると、貯蓄現在高の平均は1378万円、中央値は826万円。負債現在高は1569万円(中央値は1466万円)、年間収入は740万円です。

では、「勤労者世帯」にフォーカスして、年収ゾーンと「貯蓄・負債」の関係を眺めていきます。

働く世帯の「年収」と「貯蓄・負債」の関係

ここで、年収と「貯蓄・負債」の関係を示すグラフをご覧ください。

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」第8-2表「年間収入階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高」をもとに筆者作成

平均貯蓄額が最も少ないのは、200万円未満の年収帯ですね。年収1500万円以上の世帯であれば、平均貯蓄額は4000万円にあと少しで手が届くくらいにまで上がります。この両極だけに注目すると、年齢と貯蓄は比例するようにも思えますが。

しかし、グラフをよく見ると、「年収とともに貯蓄額が上がっていく」というわけでもなさそうです。いくつかの隣り合う年収帯を比べてみると・・・・・・。

年収400万~550万円世帯の貯蓄額より、年収350~400万円世帯の貯蓄額(962万円)のほうが高いです。また、年収250~300万円世帯の貯蓄額(964万円)は、年収300万~350万円の層の貯蓄額(720万円)よりも高いです。

また、負債を最も多く抱えているのは、年収1500万円以上世帯です。