今月は年金支給日です。2025年度の年金額は3年連続で引き上げとなり、1.9%の増額に。8月は2025年度の年金額2回目の支給となります。
老後に関しては「年金をいくらくらい貰えるか不安」「生活費は年金でまかなえるのだろうか」など不安や疑問を感じている方もいると思います。
今回は公的年金について、その平均月額をご紹介します。
また、65歳以上無職夫婦世帯の1カ月の生活費も確認します。
黒字なのか赤字なのか、赤字ならいくらなのかをみていきましょう。
1. 2025年度の公的年金は1.9%増で3年連続の引き上げ
2025年度の公的年金額は、3年連続の引き上げとなっており、2025年度は、前年度より1.9%の増額となりました。
1.1 2025年度の年金額の例
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2)
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
厚生年金は40年間「会社員として月額45万5000円(平均)を稼いだ夫」と「ずっと専業主婦もしくは自営業だった妻」の組み合わせをモデル世帯と想定。上記の年金額は、「夫の老齢厚生年金+夫婦2人分の老齢基礎年金」となります。
3年連続のプラス改定となった一方で、実は年金そのものは、実質目減りとなっているのです。
2. 【年金額】2025年度増額も実質目減り
公的年金額は、物価変動率や名目手取り賃金変動率に応じて、年度ごとに改定がおこなわれます。モノやサービスの価格や、現役世代の賃金の動向を考慮しながら、年金額も調整されるのです。
2025年度の年金額改定に用いられた物価変動率(※1)は2.7%、名目手取り賃金変動率(※2)は2.3%。そしてマクロ経済スライドによる調整(※3)で▲0.4%が加わった結果、今回の改定率ととなりました。
※1 物価変動率は2024(令和6年)の値
※2 名目手取り賃金変動率とは、2年度前から4年度前までの3年度平均の実質賃金変動率に前年の物価変動率と3年度前の可処分所得割合変化率(0.0%)を乗じたもの
※3 マクロ経済スライドとは、公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するもの
次では、今のシニア世代が実際に受け取っている年金額についても見てみましょう。