多くの国で開催前年のGDP成長率が高くなっている理由としては、オリンピック関連の設備投資が増加したのはもちろんのこと、国内外の投資マネーが流入した影響が大きいと思います。

また、ロンドンオリンピックの開催後にGDPが伸びている理由としては、リーマンショックからの世界経済の回復が重なったことが大きな要因として挙げられるでしょう。

次に、各国のオリンピック後の不動産価格の推移を、世界各国のマクロ経済・産業の統計データベースを提供するCEICのデータから読み解いていきます。

1992年 バルセロナオリンピック

1992年にオリンピックが開催されたスペインでは、その後の不動産価格はむしろ下がっていきました。そして、2000年のITバブル崩壊以降に不動産価格を大きく伸ばしています。

1996年 アトランタオリンピック

1996年にオリンピックが開催された後、アメリカの不動産価格は急上昇しました。この間はGDPの成長は目覚ましいものがありましたが、これは2000年ごろまで続くITバブルの影響が大きかったと思います。

ただし、その後のアメリカでは、サブプライムローンという低所得者向けの高リスク融資が不動産バブルを引き起こし、2007年にバブルは崩壊することとなります。この不動産バブル崩壊をきっかけとして、アメリカの不動産価格は大きな調整局面を迎えたわけです。

2000年 シドニーオリンピック

2000年に開催されたオリンピックの後、オーストラリアの不動産価格は2016年にかけて大きく右肩上がりで成長していきました。その理由としては、中国人による不動産への投資が加速したことが挙げられます。これにより、オーストラリアでも不動産バブルが起きたと言われています。

当時は、オーストラリアで一定の投資をすると投資家ビザが発給されました。これがインセンティブとなって、中国人をはじめとする多くの投資家がオーストラリアへの不動産投資を活発に行うようになったと言われています。

ただし、その後はオーストラリア非居住者による不動産購入は制限されました。そのため、現在の不動産価格は調整局面を迎えています。

2004年 アテネオリンピック

2004年のオリンピック開催以降、ギリシャの不動産価格は若干の上昇が見られたものの、2010年のギリシャ危機によってデフォルト状態となり、2010年以降は価格が急落していきました。

2008年 北京オリンピック

2008年のオリンピック開催後、中国の不動産価格は多少は上向いているものの、相対的に見れば急上昇という感じにはなっていません。