ズバリ回答! 東京オリンピック後の不動産価格はどうなる?
最後に、東京オリンピック後の不動産価格はどうなるのか、ズバリ予測してみたいと思います。
そもそも、首都圏の不動産価格が過去10年で上昇した要因は、アベノミクスによる大胆な金融緩和政策が大きな要因です。銀行が不動産投資にガンガン融資した結果、不動産価格が上昇していきました。
もちろん、都内各地の再開発やオリンピック施設の建設なども不動産価格を押し上げる要因になっています。
では、東京オリンピック後の不動産価格はどうなるのでしょうか?
まずは、アベノミクスを強力にバックアップしてきた日銀の黒田総裁の任期が2023年まで続きますから、これまでの金融緩和は少なくとも2023年まで継続されるでしょう。
この流れは、マネーが不動産に向かう余地がまだあるということに他なりませんから、政策的な視点から言えば不動産価格の上昇余地はまだあると言えます。
今後は新型コロナウイルスによる自粛が徐々に解かれていき、自粛にストレスを溜めていた人たちが一気に消費へと向かうので、これもGDPを押し上げる要因になると思います。
次に、人口の観点から言えば、東京都心部では2045年ごろまでは人口増加が続いていく予定ですし、首都圏のリモートワークも定着してきていますので、住宅需要も堅調に推移していくことが予測されます。
インフラ整備については、都市部はかなり成熟してきてはいるものの、リニア新幹線の開業が2027年以降に予定されているなど、東京の経済力はますます高まっていくと思います。
以上のように見ていくと、首都圏の不動産価格はまだ上昇する材料しか見当りません。
一方で、人口減少が加速する地方の不動産価格の上昇余地はほとんどないと思います。今後4~5年を考えてみると、日本では都市部の不動産価格のみが強気に推移していくと思います。
もちろん、都市部の不動産価格が強気だといっても、日本全国で強気かと言われればそんなことはありません。地域によって差が出てきますので、その辺りは個別に評価していく必要があるでしょう。
唯一マイナス要因があるとすれば、新型コロナウイルスによる金融緩和政策の手仕舞いの仕方によっては、世界経済が鈍化し、その影響で日本への投資も鈍化してしまう可能性があります。
そのため、世界の政策動向や世界経済へのアンテナは常に張っておくようにするのが良いでしょう。
不動産は今が買い時なのか?
最後に、不動産は今が買い時なのかどうかについてお話ししたいと思います。
結論としては、不動産は相場で買うものではありません。自分が期待する利回りを実現できるのであれば、常に買い時なのです。つまり、ブームに翻弄されるのではなく、自分なりの投資基準を持ちつつ購入判断をすることが重要なのです
参考資料
- 日本経済は五輪ロスに陥るのか・みずほインサイト 2018年12月5日(みずほ総合研究所株式会社)
- Global Databases (CEIC)
- 日本の地域別将来推計人口・2018年推計(国立社会保障・人口問題研究所)