「持てる世帯」と「持たざる世帯」の違いはどこに?

60歳代全体と金融資産保有世帯との違いは何でしょうか。平均も全体では1745万円に対し、金融資産保有世帯は2154万円と1.2倍になっています。内訳においても、預貯金や生命保険・個人年金・株式・投資信託など各数値も1.2倍以上の開きとなっています。

つまり預貯金以外で資産を増やす「資産運用」の差が資産の格差となります。

金融資産保有額の中央値であれば、60歳代全体が875万円に対し金融資産保有世帯は1465万円と2倍近くになっています。さきほども触れたとおり、中央値は平均よりも「実態に近い」金額です。同じ60代の中でも大きな格差が生じていることが分かります。

「72の法則」とは

この格差を埋めるべく、資産を増やす考え方に「72の法則」というものがあります。

文献上では、1494年にイタリアの数学者であるルカ・パチョーリの発案といわれています。この「72の法則」とは、「72÷金利=倍になる年数」となり、金利には「複利」を用いています。

例えば、金利3%で運用された場合、「72÷3=24」となり、約24年で資産が倍になることがわかります。

ここで重要なポイントが「複利」です。この「複利」を活用すれば、少額の毎月積立であっても、ゆくゆくは大きな資産を築くことができる、ということなのです。