先日、田村憲久厚生労働大臣が、国民年金(基礎年金)の水準の低下幅を抑える制度改革の検討を発表しました。この報道に触れて、我が家の年金、どうなるの?とちょっと心配になった方もいらっしゃるでしょう。
家庭を守る主婦(主夫)のみなさんは、つい自分自身のことが後回しになってしまう、という場合も多いはず。ご自身の老後の年金について、ゆっくり考えたことはありますか?
今回は、専業主婦(主夫)のみなさんの年金についてのお話です。「我が家の年金」そして、「わたしの年金」について考えていきましょう。
年金制度のキホンをおさらい
さいしょに、日本の年金制度のしくみについてざっくり把握します。
日本の公的年金制度は、いわゆる「2階建て構造」。国民年金(基礎年金)・厚生年金の2つの年金制度から成り立ちます。
1階部分の国民年金には、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入します。国民年金の年金保険料は一律で、老後の受給額の個人差はさほど大きくはありません。
2階部分の厚生年金は、会社員や公務員などが、国民年金に上乗せして加入する制度です。老後は老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金を受給します。厚生年金は収入に応じた年金保険料を納め、それが納付期間とともに老後の受給額を左右します。
2つの年金制度のうち、専業主婦(主夫)が加入するのは国民年金です。
とはいえ、専業主婦(主夫)の「被保険者区分」、つまり年金を積み立てていく方法は、配偶者が国民年金・厚生年金どちらの加入者であるかにより異なります。ケースごとにみていきましょう。
配偶者が「国民年金」加入者の場合
■配偶者が、自営業・フリーランスなど、国民年金の「第1号被保険者」だったケース■
この場合は、夫婦ともに、国民年金の「第1号被保険者」となります。専業主婦(主夫)の年金保険料は家計から捻出し、ご自身で納付します。
配偶者が「厚生年金」加入者の場合
配偶者が会社員や公務員など、国民年金の「第2号被保険者」だったケース
国民年金の「第2号被保険者」である配偶者に扶養されている、妻(または夫)を、国民年金の「第3号被保険者」といいます。
「第3号被保険者」の国民年金保険料は配偶者が加入する年金制度が一括して負担します。つまり、第3号被保険者は国民年金保険料の負担はありませんが、老後に「老齢基礎年金」を受給できるわけです。
ここが、「サラリーマン世帯の専業主婦はズルい!」といった批判に繋がりやすいポイントではあるのですが、その話はいったん今回はおいておき……。
次で、専業主婦(夫)が老後の年金を増やす方法について考えます。