1. 日本株は売られるが4万円台は維持
2025年8月1日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比270円22銭安の4万0799円60銭となりました。終値ベースで4万円は維持したものの、上値が重く、下げ幅は一時480円を超えました。
東京エレクトロンが7月31日の取引終了後、2026年3月期の連結純利益が前期比18%減の4440億円になる見通しだと発表しました。当初は4%増を見込んでいたところから下方修正し、一転して最終減益となることになりました。これを受けて1日のザラ場では一時、同社がストップ安水準まで売られました。東京エレクトロンだけで日経平均を約498円押し下げました。相場全体に買い材料もなく、下値圧力が増しました。同日夜には7月の米雇用統計の発表を控えていたことや、週末前に持ち高調整の売りも出やすい局面でした。
今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比542ドル40セント安の4万3588ドル58セントで終えています。5日続落です。同日発表された7月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比7万3000人増と市場予想(10万人増)を下回りました。一方で、7月の失業率は4.2%と、6月の4.1%から上昇しました。同日発表の7月の米ISM製造業景況感指数も市場予想を下回りました。
トランプ米大統領が相互関税を発表したことで雇用創出が期待されましたが、実際には減速していることが明らかになりました。貿易や関税を巡る不透明感が増していることから、企業が採用を手控えているという見方もあります。1日のナスダック総合株価指数、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)もともに下落しています。日本株も週初から軟調な展開になることが予想されます。
国内では今週、大手企業が相次いで決算を発表します。4日にはJFEホールディングス、7日にはトヨタ自動車、ソフトバンクグループ、8日には楽天グループなどが決算を発表します。4日には日銀のマネタリーベースが発表されます。