従来型IT人材は減少へ
経産省のレポートからは、人手不足が進行する「先端IT人材」と、今後、減少していく「従来型IT人材」という流れがみてとれます。「IT業界の人手不足はウソ」という一部の声は、「従来型IT人材」というカテゴリーに軸足を置いて業界をみているのかもしれませんね。
先端IT人材についてさらに考えると、この先端IT人材とは、「DX(デジタルトランスフォーメーション)人材」と同義と考えて間違いないでしょう。
DXではよく「攻めのIT」「守りのIT」という言葉が使われます。これは米調査会社ガートナーが2015年に提唱したバイモーダルITの概念が元ネタで、攻めのITとは“ビジネスを変革(トランスフォーメーション)するIT"を意味します。
それに対して「守りのIT」とは、既存システムの保守など従来型IT人材がカバーする分野になります。そしてDXの本質は、「守りのIT」から「攻めのIT」への転換なのです。
日本のDXスタートとなった、経産省の2018年「DXレポート ~ ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」でも、日本企業の複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムは、国際競争での遅れや経済の停滞などの要因となるレガシーシステムと断じています。