長びくコロナ禍の影響で、企業業績の二極化が取り沙汰されています。たとえば観光・鉄道・飲食などで苦しい業績が続く一方、「巣ごもり消費」をとらえた業界では好調な企業も多いようです。

今回は、最も業績好調とも言われているIT業界について考えてみます。

IT業界の人手不足は決定的

近年、全業界の有効求人倍率が1.2倍~1.6倍ほどで推移している中、情報処理・通信技術者(ITエンジニア)の有効求人倍率は1.5倍~2.5倍程度で推移しており、IT人材の不足がうかがえます。

コロナ禍の影響で有効求人倍率がおおむね下がった2020年においても、ITエンジニアは1.5倍(全体は約1.2倍)です。

有効求人倍率から見た場合、ITエンジニアは確実に人手不足と言えます。その一方、ネットなどで検索すると「IT業界の人手不足はウソ」という声もあります。

たしかに経験者が前提であったり、求められるスキルも高いため、ITエンジニア採用の敷居は決して低くありません。“なぜ人手不足の業界で、そんなに敷居が高いのか"というギモンもあるようです。

どちらが正しいのか、中・長期的な観点でIT業界をみてみましよう。