今年の春ごろから「障害年金の申請について不支給になる件数が2024年度に増加している」と相次いで報道。厚生労働省が6月に調査報告書を発表するなどの動きがあり社会全体で障害者支援制度に注目が集まっています。そんな障害者支援制度のなかでも「精神障害者保健福祉手帳」は、生活や就労に不安を抱える方々の暮らしを支える制度です。
今回は厚生労働省の調査などふまえて、手帳の所持状況や等級ごとの違い、「どんな支援が受けられるのか?」などのしくみについて解説します。
1. 【3種類の障害者手帳】《身体・療育・精神》の目的と違い
障害者手帳は3種類あります。手帳を所持することの目的としては、障がいの種類や程度に応じて様々な福祉サービスや支援を受けることで、生活の困難を軽減し、社会参加を促進することにあります。
身体障害者手帳
- 対象者は身体の機能に一定以上の障がいがある方
- 所持者数は478万3069人
療育手帳
- 対象者は知的障害がある方
- 所持者数は128万1469人
精神障害者保健福祉手帳
- 対象者は一定程度の精神障害の状態にある方
- 所持者数は144万8917人
この3つの手帳は、それぞれ異なる法律や制度に基づいており、対象となる障害の種類や所持者数が大きく異なります。次は「精神障害者保健福祉手帳」の所持者について詳しく見ていきましょう。
※所持者数は令和5年度福祉行政報告例と令和5年度衛生行政報告例によるもの