繰り下げ受給と繰り上げ受給 どのくらいしている?
では、実際に繰り下げや繰り上げ受給している人の割合を見てみましょう。
厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の表27「国民年金 70歳の繰り上げ・繰り下げ受給状況の推移」から確認しました。
<基礎年金のみ受給者の場合>
繰り上げ(年金を早期受給する)
- 平成27年度:22.0%
- 平成28年度:20.5%
- 平成29年度:19.7%
- 平成30年度:18.8%
- 令和元年度:17.6%
繰り下げ(年金の受給時期を遅らせる)
- 平成27年度:1.5%
- 平成28年度:1.4%
- 平成29年度:1.5%
- 平成30年度:1.7%
- 令和元年度:2.2%
これを見ると基礎年金=国民年金のみの受給者では、繰り下げ受給者よりも、繰り上げ受給者の比率のほうが多いことがわかります。
受給する間ずっと減額されてしまうにも関わらず、繰り上げ請求をするということは、生活が苦しいという現実があるのでしょう。
自営業やフリーランスなど国民年金の受給権しか無い方は、年金だけに頼らない資金計画が必要といえるかもしれません。
続いて、厚生年金受給者も含めた中での国民年金の繰り上げと繰り下げ者の割合を見てみましょう。
繰り上げ(年金を早期受給する)
- 平成27年度:10.6%
- 平成28年度:9.7%
- 平成29年度:9.4%
- 平成30年度:9.2%
- 令和元年度:9.2%
繰り下げ(年金の受給時期を遅らせる)
- 平成27年度:1.2%
- 平成28年度:1.2%
- 平成29年度:1.3%
- 平成30年度:1.4%
- 令和元年度:1.9%
厚生年金受給者も含めた総数で割合をみてみると、繰り下げ受給の比率は先程とほとんど変わらない一方、繰り上げ者の比率もかなり少なくなっています。
その理由として、厚生年金受給者の方が、国民年金だけ受給する人よりも受給額が多いためと言えそうです。