ほとんどの会場で無観客となった東京オリンピック。テレビ中継を観ながら、やっぱり「現地で観たかったなぁ」と感じたのは、私だけではないかと思います。

退職後の自由な生活の中であれば、オリンピックが海外での開催だったとしても「資金さえあれば」現地まで観に行くこともできるようになるでしょう。

そう考えたとき、ふと気になるのは老後の生活資金ではないでしょうか。

私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまから老後のお金の相談を受けてきました。その経験もふまえ、今回は「厚生年金の受給額」の割合を確認しながら、セカンドライフに向けたお話をしていきたいと思います。

厚生年金、みんないくら受け取っているのか?

まずは、現在のシニア世代を参考に厚生年金の受給額をみていきましょう。

厚生労働省年金局が公表する「令和元年度(2019年)厚生年金・国民年金事業の概況」によると、男女別の受給権者数は以下の通りです。

〈男子〉平均年金月額:16万4770円

  • ~5万円未満:15万977人
  • 5万円~10万円未満:97万6724人
  • 10万円~15万円未満:261万3866人
  • 15万円~20万円未満:436万9884人
  • 20万円~25万円未満:224万9128人
  • 25万円~30万円未満:28万8776人
  • 30万円以上:1万7626人

〈女子〉平均年金月額:10万3159円

  • ~5万円未満:31万5100人
  • 5万円~10万円未満:234万1321人
  • 10万円~15万円未満:218万2510人
  • 15万円~20万円未満:41万2963人
  • 20万円~25万円未満:6万3539人
  • 25万円~30万円未満:4166人
  • 30万円以上:379人

※厚生年金保険(第1号)の平均年金月額には老齢基礎年金月額が含まれます。

厚生年金の全体の平均年金月額は14万4268円です。男女の差が約6万円と大きくなっているのが見てとれます。

厚生年金は国民年金に上乗せする形で報酬比例の年金を支給する制度です。

ですので、勤務先にそもそも厚生年金の制度があるのか、どれだけの期間勤務していたか、毎月の報酬月額はいくらか、などが受給額に大きく影響します。結婚や出産・育児などで家庭に入る可能性の高い女性の受給額が低くなっていると考えられるでしょう。