「人生100年時代」の足音が聞こえるいま。
「老後の収入を年金に頼ろう」と考える方も多いのではないでしょうか。一方で、年金額が低い方やそもそも貰えない方もいます。
私は証券会社に勤務していた経験があり、多くのお客様から老後資金のご相談を受けてきました。
その中で、「まさか年金が貰えないとは思っていなかった」「思ったより年金額が少なかった」といった声を多くお聞きしました。
「年金保険料を支払いたくない」という声が大きくなっても、やはり生きている間、一生涯受け取ることができるというのは公的年金の最大のメリットです。
今回は、国民年金と厚生年金の受給資格を整理し、「低年金・無年金」の避け方をお伝えしたいと思います。
無年金=セーフティネットなしで老後を迎えると……?
まずは、無年金で生活する大変さをお伝えしたいと思います。
金融審議会「市場ワーキング・グループ(第21回)厚生労働省提出資料」には、モデルケース世帯のひと月の実支出が26万3718円とされています。
この金額で、老後65歳から30年長生きした場合を想定します。
約26万4000円×12カ月×30年=約9504万円
なんと1億円近い金額となるのです。みなさんはこの金額を自力で準備する自信がありますか。
現役時代にコツコツと貯めるにしては、かなり厳しい金額ですよね。
現役時代ほど体の自由がきかなくなる老後においては、いつまで働き続けられるかは分かりません。
年金だけで生活するのは難しい時代になってきたことは確かですが、「無年金にならない」ことは、人生100年時代を生き抜く最低条件と言えるでしょう。