金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」では、モデルケースとなるシニア世帯のひと月の収支が、以下のように試算されています。
以上のような根拠から、老後に公的年金以外に「2000万円」が必要となる、とされたのが「老後2000万円問題」なのです。
とはいえ、ここでクローズアップされた2000万円という金額は、多くの世帯にとって一朝一夕で準備できるものとはいえないでしょう。では、どのように貯めていけばよいのでしょうか。
「2000万円」を準備するための具体的な方法とは
「老後資金」というまとまった金額を準備することを考えたとき、多くの方がまず思い付く方法として、銀行などの預貯金が挙げられるでしょう。もちろん、それも一つの大切な方法です。
しかし、超低金利が続く今、預貯金につく利息は雀の涙ほどですので、お金を増やすことには残念ながら繋がりません。
そこで視野に入れて頂きたいのが、「お金に働いてもらう」、つまり資産運用の検討です。
ここで、30年かけて2000万円を準備することを考えたとき、「預貯金だけ」と「資産運用」で積み立てていった場合、どのように違いがあるかを比較します。
「預貯金だけ」で2000万円した場合
まず、「預貯金だけで」2000万円を30年間かけて貯めていく場合を考えてみましょう。
タンス預金など、金利がまったくつかない前提であれば、約5万5000円を「毎月欠かさず」積み立てていく必要がありますね。
「資産運用」で2000万円を準備した場合
では、同じ30年間、資産運用を行って2000万円を準備する場合はどうなるでしょうか。
仮に年率6%複利で運用できた場合、毎月の積立額は約2万円まで抑えることができます。
さらにいうと、「預貯金のみ」の場合と同様に毎月5万5000円を積み立てて、同じ条件で運用を行った場合、5000万円を超える額にまでお金が育つことになります。
ごらんのとおり、「お金に働いてもらう」、資産運用は効率的にお金を増やしてく方法として、非常に有益であることは確かです。
資産運用には預貯金とは異なり元本保証はありませんが、運用期間を長くとることで、リスクが軽減しリターンが安定してきます。
「退職金には期待できそうにないから、自分でまとまった老後資金を作りたい」といった理由で資産運用を検討される場合は、早めのスタートをお勧めします。