国民年金・厚生年金には、残された家族の生活を支えるための「遺族年金制度」があります。

誰が遺族年金をもらえるのか、どのくらい支給されるのか、遺族年金についておさらいしましょう。さらに、「こんな場合はどうなる?」といった遺族年金についての疑問にお答えします。

「遺族年金」のキホン

最初に、遺族年金についておさらいをしておきましょう。遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。それぞれ支給される要件に違いがあるので、確認しておきましょう。(【表】遺族年金の支給要件と年金額)

※【表】遺族年金の支給要件と年金額:日本年金機構「遺族年金」をもとに筆者作成

遺族年金の受給権者は「被保険者(亡くなった人)によって生計を維持されていた人」であることが前提です。

遺族基礎年金は、条件にあてはまる子がいれば、妻だけでなく夫も受給できます。ただし、子どもが18歳の年度末を過ぎると受給権を失います。

遺族厚生年金は表で示した順位のもっとも高い遺族だけが受給できますが、夫の場合は55歳以上でないと受給権はありません。その場合、子どもがいれば、子どもに受給権がいきます。遺族厚生年金は、原則、支給は一生涯となります。