定年退職後の主な収入となる年金ですが、皆さんはいくら受け取ることができるか確認したことはありますか。
子供が独立したり、持ち家のローンが完済したりと、支出も少なくなる可能性がある退職後のセカンドライフ。
しかし、自由な時間も増えると考えると、いまと同じ、もしくはそれ以上の支出となる可能性もありますよね。
生命保険文化センターが行った意識調査によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は月額で平均22万1000円、ゆとりある老後生活費は平均36万1000円というデータも出ています。
これらもふまえ、家族構成や環境など状況による差があることをふまえても、「約30万円」程度の年金を受取りたい、と考える方が多いのではないでしょうか。
私は生命保険会社に勤務した経験があり、ファイナンシャルプランナーとして多くのみなさんのお金にまつわる相談を受けてきました。
その経験もふまえ、今回は厚生年金の受給額が「月額30万円超」の方がどのくらいいるのか、皆さんと一緒にみていきたいと思います。
厚生年金「男女別」みんなはどのくらいもらっているのか
では早速、厚生年金の受給額の月額を、男女別に確認してみましょう。
厚生労働省年金局「令和元年(2019年)度厚生年金・国民年金事業の概況」を参考にします。
厚生年金保険(第1号) 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数
〈男子〉平均年金月額:16万4770円
~5万円未満:15万977人
5万円~10万円未満:97万6724人
10万円~15万円未満:261万3866人
15万円~20万円未満:436万9884人
20万円~25万円未満:224万9128人
25万円~30万円未満:28万8776人
30万円以上:1万7626人
〈女子〉平均年金月額:10万3159円
~5万円未満:31万5100人
5万円~10万円未満:234万1321人
10万円~15万円未満:218万2510人
15万円~20万円未満:41万2963人
20万円~25万円未満:6万3539人
25万円~30万円未満:4166人
30万円以上:379人
※厚生年金保険(第1号)の平均年金月額には老齢基礎年金月額が含まれます。
厚生年金の全体の平均年金月額は14万4268円、男女の差が約6万円と大きくなっているのが見てとれます。
厚生年金は国民年金に上乗せする形で報酬比例の年金を支給する制度です。
ですので、勤務先にそもそも厚生年金の制度があるのか、どれだけ勤務しているか、毎月の報酬月額はいくらか、などが受給額に大きく影響し、結婚や出産、育児などで家庭に入る可能性の高い女性の受給額が低くなっていると考えられるでしょう。