コロナ不況下での最低賃金を引き上げは「失業を増やす愚策」

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最低賃金は景気動向に応じて柔軟に上げ下げすべきであり、不況下の引き上げは失業を増やす愚策である、と筆者(塚崎公義)は考えています。

政府は最低賃金を引き上げる模様

政府の審議会が最低賃金を3.1%引き上げると決めました。これにより、都道府県別の引き上げ幅が決められた後、秋から最低賃金が引き上げられることになりそうです。

安倍政権は賃金引き上げに熱心で、毎年3%程度の最低賃金の引き上げを行なってきました。アベノミクスによる労働力不足が問題となっている時期でしたから、これは妥当な政策だったと言えるでしょう。

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しかし、新型コロナ不況で失業が問題となっているならば、最低賃金は引き下げるべきです。昨年は引き上げ率がほぼゼロでしたが、引き下げるべきでした。今年も、引き上げではなく引き下げるべきだと思います。最低賃金が高すぎると失業が増えてしまうからです。

最低賃金は均衡賃金と等しくなるべき

したがって、最低賃金は均衡賃金と等しいところに定めるべきなのです。均衡賃金というのは労働力の需要(求人数)と供給(働きたい人の数)が等しくなる賃金水準のことです。

最低賃金が均衡賃金より高いと「最低賃金が高いなら雇わない」という企業が増えるので、失業が増えてしまいます。最低賃金は労働者のためにあるのに、失業者が増えてしまってはかえって労働者を苦しめることにもなりかねません。

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執筆者
塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。【近著】なんだ、そうなのか! 経済入門』『老後破産しないためのお金の教科書』『経済暴論: 誰も言わなかった「社会とマネー」の奇怪な正体』『一番わかりやすい日本経済入門』『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由【雑誌寄稿等】Facebook、NewsPicks、アメブロ等にて適宜ご紹介