大規模な国際的学力調査である「PISA」。3年ごとにOECD(経済協力開発機構)加盟国を中心に、15歳(義務教育修了段階)を対象に行われています。

学習到達度を調べるPISAの名が広く知られるようになったのは2003年、2006年の結果で日本の順位が大きく落ち、メディアで大々的に取り上げられてからです。このことが「ゆとり教育」からの方向転換のきっかけになったとも言われています。

このように何かと注目されるPISAですが、2018年の結果では日本の子どもの読解力低下が顕著となりました※。

※本来2021年に行われる予定のPISA2021は、新型コロナウイルスの影響で1年延期が決まっている。

日本の子どもたちはどこが弱いのか

PISAでは学力の3分野「読解力「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」が測られます。また、毎回詳しく調査する中心分野が設けられており、2018年の中心分野は読解力でした。

日本のこれまでの結果はというと、数学的リテラシーと科学的リテラシーは2006年の調査を底に上昇。その後の調査でもトップレベルを安定して維持しています。

一方の読解力は2003年と2006年でともに30カ国中12位と振るいませんでしたが、2009年には34カ国中5位と改善し、2012年は1位になりました。

しかし、理系分野のようにトップレベルを維持することは叶わず、2015年に35カ国中6位と順位を落とし、2018年は37カ国中11位という結果になっています。