先月6月18日の尾身会長の東京五輪への提言。そして、そこからの一連の動き。皆さんは、どう思ったでしょうか。自分は、もともと五輪ギライの開催懐疑派のため、ある種、傍観者的に眺めていました。尾身会長提言の感想としては、タイミングも内容も“よく調整して、段取りを踏んでるなぁ"といった印象でした。
今回は五輪開催へのプロセスについての雑感と、「もしアノ時に・・・」という“タラレバ話"です。
尾身会長提言は「日本型すり合わせ」の極致
尾身会長の東京五輪への提言ですが、やはり6月18日というタイミングは決定的に遅すぎましたよね。あらためて考えると、そのタイミングから根本的な議論ができるわけないと思います。
尾身会長の「パンデミックで五輪は普通でない」発言は6月3日の参院厚生労働委員会。18日の提言でも、当初は「五輪の開催の有無を含めて検討してください」といった文言が含まれていたと報じられています。しかし、菅首相がG7で国際的に五輪開催を表明、「意味がなくなった」として内容を削ったと言われています。
やはり“段取り"的な流れを感じますよね。尾身会長の“普通はない"発言の直後に、田村厚労相の“自主的な研究発表"発言もありました。アレもうがった見方をすれば、厳しめのところに球を投げ込んで、世間の反応をみて、その後の段取りを調整している気も。
結局、専門家も政治家も自分の職分に忠実で、あらかじめ定められた大きな目標に向けて、見事な“すり合わせ"をしているという印象でした。