年々増加している共働き世帯。内閣府の「令和2年度版男女共同参画白書」によると、令和元年度(2019年)では、共働き世帯は1,245万世帯、専業主婦世帯は582万世帯に。

昭和55年(1980年)には共働き世帯614万世帯、専業主婦世帯1,114万世帯と、かつては専業主婦世帯が多数派だったものが、平成9年に逆転。平成24年以降はその差がグングン拡大しています。

共働き世帯が増えている一番の理由は、やはり世帯収入が増えることでしょう。1人より2人で働く方が収入が増えるのは当然のこと。では、共働き世帯の月当たりの収入や支出、貯蓄はどのくらいなのでしょうか。

総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年度」から、二人以上の世帯のうち勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)の結果を見てみましょう。

共働き世帯の月当たりの収入は?

「家計調査報告(家計収支編)2020年度」によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)で、世帯主が夫である共働き世帯の月当たり「実収入」平均は716,420円。

実収入とは「いわゆる税込み収入であり、世帯員全員の現金収入を合計したものである」と定義されています。ちなみに、いわゆる専業主婦世帯の月当たり実収入平均は554,110円ですから(注1)、共働き世帯の月当たり実収入は約16万円多いことが分かります。

ただし、前出の「令和2年度版男女共同参画白書」で共働き世帯の内訳を見てみると、令和元年度(2019年)では「妻がパート(週35時間未満)」で働く世帯が682万世帯に対し「妻がフルタイム(週35時間以上)」で働く世帯は495万世帯(図表1参照)。

1985年からの推移を見ても、増加しているのは「妻がパート」で働く世帯で、「妻がフルタイム」はほぼ横ばいです。つまり、約6割の共働き世帯では妻がパートタイムで働いているということで、収入は増えても専業主婦世帯の収入の2倍には届いていないのが現状です。

(注1)二人以上の世帯のうち勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)の「有業者1人」を参照(「世帯主の配偶者のうち女の有業率」は0.0%)。

図表1:共働き世帯のうち「妻がパート」の世帯数と「妻がフルタイム」の世帯数の推移

出所:内閣府「令和2年度版男女共同参画白書」(総務省「労働力調査特別調査」「労働力調査(詳細集計)に基づく)