共働き世帯の月当たり貯蓄は?

最後に月当たりの貯蓄を見てみます。

まず、月当たりの「貯蓄純増(注2)」は、共働き世帯225,115円、専業主婦世帯144,713円。「金融資産純増(注3)」は、共働き世帯227,309円(1年で約272万円)、専業主婦世帯148,180円(1年で約178万円)。

「金融資産純増」の1年での差は約94万円。仮にこの水準で10年経つとしたら、かなりの差が生じます。そう考えると将来が不安な今の時代、共働き世帯が増えているのがよく分かる気がします。

(注2)貯蓄純増:「預貯金」と「保険料」の合計から「預貯金引出」と「保険金」の合計を差し引いたもの
(注3)金融資産純増:「貯蓄純増」に「有価証券購入」と「有価証券売却」との差を加えたもの

おわりに〜共働き世帯のデメリットに要注意

共働き世帯が年々増えている背景には、住宅ローン費用や子供の教育費の確保に加え、将来の老後資金不安に備えたいという心理がありそうです。

ただ、共働きで収入は増えるのものの、それに伴って生活にかけるお金も増えてしまいがち。仕事で疲れているために、ついつい外食する回数が増えてしまったり、お惣菜を買うことが多くなったりと、”時間をお金で買う”ような出費が増えてしまうこともあるでしょう。

こうした理由で支出のコントロールがうまくいかないと、収入の割に貯蓄ができていないという結果になってしまいます。

そして、男女間でなかなか理解し合えないのが家事育児の分担問題。女性が仕事と家庭を両立していくには、夫や家族の協力が本当に大切です。家族とよく話し合いながら、それぞれの家庭にあったスタイルを見つけられるといいですね。

参考資料

中野 令子