昨年春の臨時休校は3カ月にも及び、その間、子どもの学習時間をどう確保するか頭を悩ませた保護者も少なくありません。そうした中、家庭で勉強できる通信教材のニーズが急速に高まりました。

昭和の頃からから変わらず小学生〜高校生の家庭学習を支える通信教材は手堅い人気がありますが、2010年代に入るとそれまでの紙ベースでの添削指導から脱却し、現在はタブレット端末を利用した学習が主流に。定番の進研ゼミやZ会だけではなく、新たな通信教材も誕生しています。

通信教材はすでにIT化が進んでいる

現在、公立小中学校では児童生徒1人に1台のタブレット端末やノートパソコンが配布され、緊急時でも家庭で担任の先生とやり取りをしたり、学習ができる環境整備を整えています。

昨年の臨時休校でオンライン対応の遅れが指摘されたのを受けてのことですが、親の多くが「遅い」と感じたのには理由があります。

それは、すでにタブレット端末での通信教材が誕生し、認知度が高まっていたからです。ICT機器での学習が浸透しつつあった小中学生の子を持つ親から、「どうして学校ではできないのか」という不満の声が上がるのも無理からぬことと言えるでしょう。

こうしたタブレット端末を使った通信教材の歴史は、ジャストシステムの「スマイルゼミ」が2012年12月に小学生講座をスタートしてから始まりました。

ジャストシステムは日本語ワープロソフトの一太郎の会社として有名ですが、公立学校での学習支援ソフトなど教育にも長く携わっています。そのノウハウを活かして誕生したのが「スマイルゼミ」でした。